【演奏会レポート第二弾】2026 Spring Concert の舞台裏

5月16日の2026 Spring Concert「甘く淡い追憶と、静かな情熱に包まれて」から、はや一週間が経ちました。

演奏会翌日に第一弾レポートをお届けしましたが、今回はもう少し踏み込んで、この演奏会がどのようにして生まれたか——その舞台裏をお話しします。


📊 一週間経って、見えてきたこと

あれから一週間。動画の編集作業もほぼ完了し、演奏の映像を順次公式YouTubeチャンネルで公開していく予定です。

そしてアンケートの集計・分析も完了しました。今回は会場でのお客さまの様子、なんとなく手応えは感じていたのですが、数字で確認してみると、これまでの演奏会で最も高い満足度だということがはっきりわかりました。400名を超えるご来場に加えて、こうした反応をいただけたのは、メンバー一同の大きな励みになっています。

今回は、その演奏会がどんな考えで組み立てられていったか——企画・選曲・PA・本番当日のアドリブまで、「裏側」を少し詳しくお話しします。


🌴 なぜ「ラテン」ではなく「ブラジル」だったのか

2026 Spring

「ラテン音楽をやりましょう」という話は、実は以前からたびたび出ていました。マンボを題材にした曲は当団の演奏会でも常に人気が高く、アンケートでも「サンバ」「ボサノバ」「ラテン」といったリクエストを毎回多くいただいていました。

ただ、ここで少し立ち止まって考えてみました。

「ラテン音楽」という言葉は、一般的にはかなり広い意味で使われています。メキシコ・キューバ・ブラジル・アルゼンチン——その国々の音楽はそれぞれまったく異なる歴史と感性を持っているのですが、「あの辺の、陽気な南米の音楽」としてまとめられてしまうことも少なくありません。

そんなとき、当団の代表のお知り合いにブラジル音楽を専門とするギタリスト、尾花毅さんがいることがわかりました。「せっかくなら、ただラテン曲をやりましたで終わらせたくない。ブラジル音楽とは何か、他のラテン音楽と何が違うのかを、お客さまに一緒に感じてもらえないか」——そんな思いが、今回の企画の出発点になりました。


🎸 目指した空気感——「熱狂」ではなく「静かな情熱」

ブラジル音楽と言われてイメージするのは、派手な打楽器やカーニバルの熱狂——そういった方も多いかもしれません。実際、YPWOがこれまで演奏してきた「ラテン系」の曲もそういった路線が中心でした。

でも今回やりたかったのは、そこではありませんでした。

サンバ・ショーロ・ボサノバには、甘さ、哀愁、そして静かな熱量があります。コルコバードの夜景のような、少しセンチメンタルな美しさ。それを吹奏楽で表現できるだろうか、という挑戦でした。コンサートの副題を「甘く淡い追憶と、静かな情熱に包まれて」としたのも、この方向性を大切にしたかったからです。

結果として、アンケートでは「自然と体が動いていた」「曲を聴くとその当時が思い出される」「思い出の扉が開きました」といった、こちらの狙いにまさに沿ったコメントをたくさんいただきました。


🎸 吹奏楽 × 8弦ギター——音を合わせてわかったこと

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「吹奏楽とギター、本当に合うんだろうか」——これは企画段階から感じていた正直な不安でした。吹奏楽は基本的に「大きな音」のアンサンブル。そこに繊細なギターが入って、ちゃんと聴こえるのか。バランスは取れるのか。

事前リハーサルで実際に合わせてみると、PAのバランス次第でとても素晴らしいサウンドになることがわかりました。客席で聴くと、バンドのサウンドとギターが溶け合って、なんとも言えない豊かな音像になっていたのです。

ただ、一つ問題がありました。ホールのスピーカーを通して客席に音を出していたため、ステージ側ではギターの音がほとんど聞こえない状態になっていたのです。メンバーからは「一緒に演奏しているのに、ギターの音が聞こえない」という声が上がりました。

そこで本番では、バンド側に向けてモニタースピーカーを用意。これによってメンバーもギターの音をしっかり聴きながら演奏できるようになり、本番はリハよりもぐっとアンサンブルが深まりました。

前回の演奏会ではピアノにマイクを立て、バンドとのバランス調整に取り組みました。毎回試行錯誤しながら、少しずつPA環境を改善してきています。今後もお客さまにより良いサウンドをお届けできるよう、積み重ねていきます。


🎸 8弦ギターって、何が違うの?

ショーロなどのブラジル音楽では、ギタリストがベースラインも担当するため、7弦ギターが使われることが多くあります。尾花さんはもともと7弦ギターを弾いていましたが、さらに低音域を広げた8弦ギターに持ち替えました。

この8弦ギターというのが、かなり希少な楽器で、世界でもほとんど製作されていないのだそうです。そして尾花さんが今回使用した8弦ギターは、なんとお父様がハンドメイドで製作されたもの。演奏会当日、ステージ上でこの話を聞いたとき、お客様もメンバーも思わず「え、お父さんが作ったの!?」とざわつきました。

その特別なギターが奏でる深い低音が、吹奏楽サウンドの中で確かな存在感を放っていました。アンケートでも「吹奏楽に8弦ギターの深い音色が響いて驚いた」というコメントが届いています。


🎲 当日決まるドキドキ感——YPWOのソロ回し文化

YPWOの演奏会の特徴の一つが、即興・アドリブです。

「ソロ回しは大体当日に細かいことが決まる」と言うと、驚かれる方も多いのですが、これがYPWOスタイルです。今回のTico TicoやアンコールのRecado Bossa Novaでも、「結局誰がどの順番でソロを回すの?」というやりとりが、リハーサルのギリギリまで続いていました。

本番のソロには、各人の個性がそのまま出ます。

ゲストの尾花さんのソロはブラジル音楽の語法に根ざした、味わい深いもの。ディレクター森下さんのピアノソロはジャズ/ラテン的なフレーズが飛び出し、メンバーによるソロはジャズやフュージョン、あるいはクラシックのスタイルで——同じ曲の中でも、それぞれの「得意分野」が顔を出します。

これがYPWOらしさの一つで、「毎回、ちょっと違う」のが面白いところです。同じ曲を何度聴いても、その日限りのスリルがある。


👏 アンケートから届いた言葉

最後に、今回のアンケートからいくつかのコメントをご紹介します。

「ブラジル音楽は吹奏楽と相性が良いことが分かった」

「暗い気持ちだったが、演奏を聴いて明るい気持ちになった」

「自然と体が動いて、演奏を聴いていてとても心地よかった」

「終演後、早速ロスってます」

「子どもOKはとっても良い機会で、安心して楽しむことができた」

「立ったり踊ったりしても良いよ!とおっしゃってくださったので、親も安心して楽しむことができた」

「ゲストのソロをもっと聴きたかった」

「終演後、早速ロスってます」——これは読んだときに、スタッフ一同ちょっと嬉しすぎてしまいました。

また、お子様連れのご家族からのコメントが複数届いていたことも、今回の収穫の一つでした。音楽ホールで「静かにしなければ」と緊張せずに楽しんでいただける場所であることを、これからも大切にしていきたいと思っています。


🎷 次回に向けて——吹奏楽×珍しい楽器、続けていきます

今回の演奏会を通じて改めて確信したのは、吹奏楽と、一般的には吹奏楽っぽくない楽器との共演には大きな可能性があるということです。

ギターと吹奏楽の組み合わせを心配していたのが嘘のように、ステージ上では自然な一体感が生まれていました。今後も、ギターに限らず、一般的な吹奏楽の演奏会ではなかなか見られない楽器との共演を積極的に進めていき、吹奏楽の新たな魅力を作り出していきたいと思っています。

ただ、あまりにマニアックになりすぎてもお客さまが困ってしまいますので(笑)、アンケートのリクエストをしっかり参考にしながら、秋はより幅広い方々に楽しんでもらえるプログラムを、春は少し尖った特集を——というバランスで考えていきたいと思っています。

「すべての人に音楽の本当の喜びを」——このミッションをさらに強く推し進めていくために。


🍂 次回:Autumn Session 2026(11月14日)

次回は2026年11月14日(土)「Autumn Session 2026」

ゲストには、トランペットの中村恵介さんをお迎えします。中村さんは当団の金管コーチでもあり、「日本人にしかできないジャズのスタイル」を追い求めるトランペッターです。スイングジャズからモダンジャズまで、誰もが一度は聞いたことのあるジャズの名曲を、本格的なアドリブを交えながらお届けします。ぜひ楽しみにお待ちください。

今回もご来場、誠にありがとうございました🎺


🎷メンバー募集中!

ウッドベース(ジャズ系)・トランペット・トロンボーン・クラリネット・アルトサックス(上級者のみ)・低音パート(バリトンサックス/バスクラリネット/テューバ)
他楽器もタイミングによって見学可能な場合もありますので、お気軽にお問い合わせください。

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